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大阪テクノマスター「笹尾恭三」の技
リスクを引き受け不可能に挑む抵抗溶接の開拓者

PROFILE
大手自動車メーカーの試作部門で板金溶接作業に従事した後、父が経営する有限会社こだま製作所に入社。通常の抵抗溶接の工程では困難とされている、複雑で微細な形状を持つ部品の溶接加工において、独自の手法を開発する。
現在、同社代表取締役の責務を果たしながら、大阪の製造業活性化にも注力している。
職人気質の父親から受け継いだ 溶接技術と二代目の試練
幼少時代から父が営む溶接工場で、ものづくりへの興味と探究心を育んできた笹尾氏。溶接の原理や基本技術は、職人である父から学んだという。昭和38年に創業したスポット溶接加工業は、高度経済成長期の追い風を受け、自動車部品や建設部材などの抵抗溶接※へと業務拡張していた。
しかし平成12年、二代目社長に就任した同氏を待ち受けていたのは、製造業の中国シフト、景気の低迷という厳しい試練。
「注文に対応するだけでは、生き残れない。新しい業務分野への挑戦が必要でした」。
※抵抗溶接…被溶接材の接合部に直接大電流を流し抵抗発熱を利用して接合部を溶融すると同時に、加圧して接合する溶接法 。代表的なものに、点で接合するスポット溶接がある。
業界の不可能を可能に! 高品質、コスト削減と納期短縮を
前例の少ない、難易度の高い溶接への挑戦が急務だった。
そこで着眼したのが、近年需要が急増している電子部品類の精密 溶接だ。直径0.8ミリのピンに微細なバネ部品を接合する場合、高度な技能を要するため、生産効率を優先する溶接会社ではほとんど製造不可能という。
同氏は多様な顧客ニーズに応えるべく、材質や形状に応じて電極や治具を自社製作し、無駄を省いた合理的な工程設計で、高品質、コスト削減と納期短縮を実現。その改革を支えたのが、さまざまな技能に優れた人々との出会いだった。
「大阪産業創造館主催の経営者セミナーなどで、同業者の方はもちろん異業種の方とつながりを持てたのは大きな成果でした。社外で得た情報は従業員の人材教育にも活用しています。ただ作業をさせるだけでは、いい人材は育ちません。なぜその作業が必要かを順序立てて教えることが、技能の継承には必要だと思います」。
金属加工業の共同受注体「アッセンブリ119LLP」へ広がる夢

溶接を中心に広がる技術者・専門家とのつながりを大阪の製造業の活性化に活かしたい。
そんな熱い思いは、金属加工業の共同受注体「アッセンブリ119LLP」の設立(平成17年8月)に結実。
メーカーがばらばらに発注していた製造工程を一括で請け負い、納期短縮やコスト削減を実現するというものだ。
「私たち製造現場の人間が開発の初期段階から介在することで、より合理的なものづくりを実現できるのではと考えています」。
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