「板バネ 形状」

薄板・微細・精密金属加工のこだま製作所の「事例紹介」です

板バネ 形状
材質 ステンレス、リボン鋼、りん青銅、洋白、チタン、インコネル
ご依頼数量 製作1個から

板バネの形状について

板バネの形状は、対象物へテンション(押える)をかける為の形状、パイプなどを固定する形状、対象物の脱着を行為の、爪形の形状など、用途に合わせて材質・板厚とともにさまざまです。また、板バネは、対象物に対して、材料強度(曲げ加工時に生じる折れ)の限界までは、自由な材質・サイズ・形状に製作することが可能です。ここでは、形状をざっくり3種類に分けてご紹介をします。

板バネは、材質のバネ性を利用して押さえる・挟むなど単純な機能ですが、製作には押える力や耐久性の検証が課題となります。こだま製作所では、金型レス・簡易金型製作で板バネを製作することにより、試作品から対応し開発段階からお手伝いしております。

板バネの種類

基本的には、押さえる・挟む板バネが多いですが、導電性を加えてスイッチとして使用されます。こだま製作所では、主に指先サイズ〜手の先サイズくらいをメインに製作しています。

押さえる板バネ

精密板金  板バネ製作画像
精密板金 板バネ製作
ステンレス製 押え板バネ(板厚0.8)画像
ステンレス板バネの金型レス加工事例です。
ステンレス板バネ 少量製作画像
試作・少量製作に特化した曲げ加工で試作に掛かる初期費...
板バネの精密板金試作画像
板バネ精密板金

挟む板バネ

板バネ (SUS304 H t=0.2)画像
板バネ (SUS304 H t=0.2)
ステンレスクリップ(温度計固定クリップ)画像
ステンレスクリップ(温度計固定クリップ)
ステンレス クリップ+板バネ 複合板バネ画像
板バネのスポット溶接
器具取り付け用板バネ画像
器具取り付け用板バネ

導電性のある板バネ

微細な筒型の電気接点製作画像
筒形状+曲げ加工の微細電気接点 Φ6ほどのカール曲げ...
精密接点・端子の試作品製作画像
精密接点・端子の試作品製作
異種金属の接点部品 少量製作画像
接点製作1個から
ベリリウム銅x真鍮 接点端子製作画像
ベリリウムと真鍮の異種金属の接点製作を行いました。

板バネの設計について

板バネは、机上で設計できればいいのですが、(コイルばねなら、机上設計が可能なのですが)計算式に基づいて設計を行っても、固定する箇所、負荷方向などで誤差が大きく出てしまいます。ですので、製作までの近道は試作をおこなうことです。

参考資料は、こちらから

お問合せ方法

板バネが必要になった場合、形状のイメージは、意外と出てくるものですので、当サイトでは、製作事例を参考にしていただき、図面、CADデーター(2次元)化を行って、詳細情報と製作数の記載(お問い合わせフォーム記入可)を行っていただき、お問合せフォームから送信ください。




板バネの試作について

「こだま」では、板バネの試作・少量製作(2000個まで)において、金型レス・簡易金型で対応していますので、製作における、金型費の軽減(ゼロ円~金型費の1/10)、短納期のご提供を行っています。金型レス・簡易金型製作は、試作確認後の板厚・材質・形状変更等が、容易に行うことが出来ます。

板バネの材質について

材質としては、一般的に鉄系・ステンレス系・銅系の3種類ですが、
特殊環境(耐塩・耐熱等)で使用する場合、チタン、インコネルのバネ材も使用します。
バネ特性も様々ですので、板バネの材質については、下記資料をご参考にしてください。

1)バネ(ばね)用ステンレス鋼帯(SUS-CSP)

ステンレス系の薄板・板金パーツや、ステンレス系板バネにはSUS304-CSPが最もよく利用されていますが、板バネにはバネ特性の低い順に1/2H,3/4H,Hと一般的には、3段階で、用途に応じて使用されています。

シムに使用する材料としてもSUS304-CSPが一般的で、2B材に対し材料費はある程度高くなりますが、板厚精度が高いことから、ご指定の無い場合弊社ではCSP材を使用しています。
また、SUS304 CSPよりさらに高いバネ特を要する板バネには、SUS301 CSPを使用しています。
SUS301もSUS304と同じくバネ特性は一般的に3段階で用途に応じて利用されています。

▼表1、SUSバネ材標準板厚表(メーカーの自主基準であり、流通で一般入手できない板厚もあります)

SUSバネ材の標準板厚(JIS G 4313)
材質 SUS301-CSP・SUS304-CSP・SUS420J2-CSP・SUS631-CSP・SUS631J1-CSP
板厚 mm 0.10、0.12、0.15、0.20、0.25、0.28、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.6、・0.70、0.80、0.90、1.00、1.20、1.40、1.50


▼表2、JIS G 4313 バネ用ステンレス鋼帯の板厚寸法公差表

SUSバネ材板厚公差(JIS G 4313の厚さの許容差)単位mm
SUS301-CSP・SUS304-CSP・SUS420J2-CSP・SUS631-CSP・SUS631J1-CSP
板厚 mm 材料幅(250以上600未満)
0.10以上 0.16未満 ±0.020
0.16以上 0.25未満 ±0.030
0.25以上 0.40未満 ±0.035
0.40以上 0.60未満 ±0.040
0.60以上 0.80未満 ±0.045
0.80以上 1.00未満 ±0.050
1.00以上 1.25未満 ±0.050
1.25以上 1.60以下 ±0.060


▼表3、バネ用ステンレス鋼帯の性質

種類の記号 調質記号 硬度(Hv) 引張強さ(N/㎜2 伸び(%)
SUS301CSP 1/2H 310以上 930以上 10%以上
3/4H 370以上 1130以上 5%以上
H 430以上 1320以上
EH 490以上 1570以上
SUS304CSP 1/2H 250以上 780以上 6%以上
3/4H 310以上 930以上 3%以上
H 370以上 1130以上
NSS431 DP-2 340~400 1200(参考値) 9%(参考値)
SUS420J2 0 210以下
析出硬化系 熱処理後硬さ(Hv)
NSSHT1770 280以上 450以上
SUS631CSP 0 200以下 1030以下 345以上
1/2H 350以上 1080以上 380以上
3/4H 400以上 1180以上 450以上
H 450以上 1420以上 530以上


2)バネ(ばね)冷間圧延鋼帯<SK材と熱処理材(焼き入れリボン鋼)>

鉄系板バネとしてはSUP材となりますが、薄板バネ材としては入手困難な板厚もありますので、弊社ではお客様ご承諾の上、類似材として曲げ成形の多い板バネにはSK材(生材)を使用し、成形後焼き入れ焼き戻しの処理を行い、主に平板の形状カットのみの板バネには焼き入れリボ鋼をよく使用しています。

Sk材とはバネ用炭素鋼帯の一種で、焼入れリボン鋼とはバネ用炭素鋼帯に熱処理(焼入れ焼戻し)を施して製造される焼入鋼帯で、主に薄板バネや、ゼンマイバネ、刃物に使用されています。

▼表3、バネ(ばね)用冷間圧延鋼帯の標準板厚表
(メーカーの自主基準であり、流通で一般入手できない板厚もあります)

磨き焼き入れリボン鋼の標準板厚
材質 ばね用冷間圧延鋼帯(SK材)を焼き入れしたもの
板厚mm 0.10、0.13、0.15、0.18、0.20、0.23、0.25、0.28、0.30、0.33、0.35、0.40、0.45、0.50、0.6、0.70、0.80、0.90、1.00、1.20、1.40、1.50、1.6、2.0、2.5、3.0

▼表4、JIS G 3311バネ(ばね)用冷間圧延鋼帯板厚寸法公差表

SK4,SK5
板厚mm 材料幅200mm以上 材料幅200mm以上500mm未満
0.10未満 ±0.012 -
0.10以上 0.15未満 ±0.015 -
0.15以上 0.25未満 ±0.020 ±0.025
0.25以上 0.40未満 ±0.025 ±0.035
0.40以上 0.60未満 ±0.035 ±0.040
0.60以上 0.90未満 ±0.045 ±0.055
0.90以上 1.20未満 ±0.055 ±0.070
1.20以上 1.60未満 ±0.070 ±0.080
1.60以上 2.10未満 ±0.075 ±0.090
2.10以上 3.00未満 ±0.080 ±0.090

▼表5、バネ(ばね)用冷間圧延鋼帯の調質と硬さ(HV)

種類の記号 焼きなましをしたもの 冷間圧延をしたもの 焼き入れ焼き戻しをしたもの
SK5-CSP 190以下 230~270 350~500
SK4-CSP 200以下 230~270 400~600


3)銅・銅合金・銅合金バネ材

1.りん青銅・バネ用リン青銅板(C5191P・C5210P等)
 市場の通電性重視の製品にはC5191がよく利用されていますが、バネ性を要する接点・端子・板バネ製等にはC5210が利用されています。

2.ベリリウム銅板(C1720P等)
 リン青銅バネ材より高性能なバネ特性を必要とする場合C1720P(バネ用ベリリウム銅)がよく利用されています。
 用途としては用途としては、携帯電話部品を始め、ブラシ、コネクタ、接点、電気機器用薄板バネ部品などによく用いられます。

3.洋白(C7521,C7701) 
洋白(C7521)は耐食性に富みシールドケースなどに利用され、優れた強度とバネ特性(C7701)から電気機器材料として用いられています。また銀白色の美しさから装飾用等にも広く用いられています。


▼表6―1.2.3.4、銅・銅合金・銅合金板バネ標準板厚表
(メーカーの自主基準であり、流通で一般入手できない板厚もあります。)

バネ用ベリリウム銅,リン青銅、及び洋白の標準板厚
材質 C1720、C1700、C7701,C7521,C5210,C5191
板厚 mm 0.1、 0.15、 0.2、 0.25、 0.3、0.35、 0.4、 0.45、 0.5、 0.6、 0.7、 0.8、1.0、 1.2、 1.4、 1.5、 1.6、 1.8、 2.0

真鍮
材質 C2801
板厚 mm 0.1、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、1、1.2、1.4、1.5、1.6、2、2.3、2.5、2.6、3、3.2、3.5、4、5、6、8、10

タフピッチ銅
材質 C1100
板厚 mm 0.1、 0.15、 0.2、 0.25、 0.3、0.4、 0.45、 0.5、 0.6、 0.7、 0.8、1.0、 1.2、 1.4、 1.5、 1.6、 1.8、 2.0

無酸素銅
材質 C1020
板厚mm 0.3、 0.4、 0.5、 0.6、 0.8、1.0、 1.2、1.5、 1.6、2.0

▼表7 ばね用ベリリウム銅,リン青銅、及び洋白の板厚寸法公差表

板厚mm 材料幅200以下
C1700,C1720
材料幅400以下
C5210,C7701
0.05以上 0.08以下 ±0.005
0.08を越え 0.15以下 ±0.008
0.15を越え 0.25以下 ±0.013
0.25を越え 0.4以下 ±0.018
0.4を越え 0.55以下 ±0.020
0.55を越え 0.7以下 ±0.025
0.7を越え 0.9以下 ±0.030
0.9を越え 1.2以下 ±0.035
1.2を越え 1.5以下 ±0.045
1.5を越え 2以下 ±0.050


▼表8、ばね用ベリリウム銅,リン青銅、及び洋白の性質

種類の記号 調質記号 硬度(Hv) 引張強さ
(N/㎜2
伸び(%)
C5191(りん青銅2種) 1/2H 150~205 490~610 20%以上
H 180~230 590以上 8%以上
C5210(バネ用りん青銅) 1/2H 140~205 470~610 27%以上
H 185~235 590以上 20%以上
C7521(洋白2種) 1/2H 120~180 440~570 5%以上
H 150~210 540~640 3%以上
C7701(バネ用洋白) 1/2H 150~210 540~655 8%以上
H 180~240 630~735 4%以上
C1700(ベリリューム銅)
時効効果処理後
1/4H 330~410 1100以上 2%以上
H 360~430 1230以上 -
C1720(ベリリューム銅)
時効効果処理後
1/2H 345~430 1180以上 2%以上
H 380~450 1270以上 -

こだま製作所の特徴

  1. 指先サイズの微細な板バネから製作可能
  2. 板バネを1個から2000個程度の少量製作
  3. 簡易金型で複雑な加工にも小ロットで対応
  4. 析出系SUS・インコネル・ハステロイなど特殊な板バネも対応
  5. 各種溶接加工
  6. 各種表面処理・熱処理加工
  7. 材料分析

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